2007年当時の冷えにきく商品は、生姜湯くらいしか存在しなかった。

そこに着目した永谷園が、冷えに苦しむ女性をターゲットに冷え性を改善するという新しい価値を提案した。

永谷園にとっては未開拓の20から30代の女性をターゲットとし、関心のない女性はいない「美容のサポート」をコンセプトに設定。

わかりやすさを突き詰めた商品名やパッケージデザインになっている。

2007年の夏に男性客の多いCVS限定で女性向けに商品を提供した。

カップスープと即席味噌汁4品を導入。オフィスで働く女性が悩む夏冷えに着目したことで注目され、また、冷えとは一見関連のなさそうな夏に販売を開始したことも話題を集める要因になった。

この取り組みから健康志向を高めた男性からの支持も得てきた。

同年11月に全国展開。

その結果、ほぼチャンネル限定だったにもかかわらず、初年度売り上げは、4億円となった。

2008年9月には全国量販店へと展開。

11月に新たなジャンルに進出するため、ホット飲料生姜チャイ発売。

幅広く品揃えしてドラッグストアへの展開も着実に進行。

売り上げは前期比倍増に達する。

なにより話題を集めたのが生姜部の設立だ。

生姜部を設立しショウガについてあらゆる角度から取り組もうという決意を「生姜宣言」として発表した。

生姜栽培、生姜メニュー提案、ブログ、生姜食べ歩き、本出版などを部活として活動し、活動や部員の様子をブログで更新して一般に公開。

この新しい形の取り組みが各メディアにも注目され、幅広い媒体へ露出度を高めた。
また、他社とコラボしてたくさんの商品を発売。

日本医学部と共同研究をし、「生姜摂取によるエネルギー消費量亢進」も明らかにした。

【PRのポイント】
生姜部設立や他社とのコラボ、チャンネルを限定したり、冷え関連の商品を夏に発売など、他社と差別化をはっきりさせた新しい取り組みが、大きな話題を生むことに成功した。