企業においてメディアを活用して情報を発信していこうと考えるのであれば、それぞれのメディアの特性や特徴について知る必要があります。
一口にメディアと言っても、その媒体となるメディアはざまざまです。
メディアは大別すると5種類に分かれ、それぞれ適切な手法でPRをすることが大切です。
テレビ - 「演出」して「分かり易く(面白く)」「映像」で伝える
テレビは媒体の中で最も反響効果が高く、最もPRをするのが難しいと言われているメディアの王様です。
最近では視聴率の低迷などが雑誌でやり玉に挙げられることがしばしばありますが、100万人~1000万人に対して「映像」「音」「臨場感」を伝えるメディアは他にありません。
また、その特徴は他にもあります。
事実を客観的にそのまま文字で伝えるのが“新聞”だとすると、事実を客観的に「演出」して「分かり易く(面白く)」、「映像で伝える」のが“テレビ番組”です。
この「演出」と「映像」いうテレビ独特の特徴が不明瞭のため、殆どのPR会社ではテレビ番組の露出を不得意としているのです。
さらにテレビPRの特徴はプレスリリースでは見向きもされないということです。
これはテレビ番組の構成、番組の作り方、体制などが特殊なためプレスリリースの情報量では取り上げるのが難しいためです。
テレビ露出を狙うのであれば、人脈ではなく、テレビ業界に精通した知識を保有するPR会社と契約する必要があります。
新聞 - 真実を伝えるジャーナリズム
新聞というマスメディア媒体は、報道という点に重点をおいています。
マスメディアにおいては歴史の古いものであり、初めのメディア媒体でもあるので、それだけ社会的責任も重いのです。
その為、社会の動向についてしっかりとした情報を発信しなければならないのです。
つまり、それだけ一般社会・一般市民に信頼されているということでもあります。
新聞に記事として企業の名前やその動向、あるいは商品やサービスについての情報が掲載されるということは、報道機関に認められているという印象を与えます。
事実、認められていなければ記事として取り上げられないのですから、その信憑性はとても大きなものでしょう。
だからこそ、企業として新聞媒体との付き合い方は疎かには出来ないところです。
きちんとした企業といった印象を与えるようなプレスリリースの発信や、直接接触する上でもしっかりとした印象を与えることが大事です。
また、マスメディアとしての新聞媒体の役割は、より真実を報道することでもあります。
企業としての在り方はもちろんのこと、思ってもいなかった部署による不正などといった企業内の倫理観の統制などに対して手厳しい検証をするのも新聞媒体です。
テレビなどの電波媒体に比べると時間的なタイムラグはありますが、それでも詳細を載せることが出来る点で多くの人が購入する理由にもなっているでしょう。
雑誌 - 多種多様なジャンル
雑誌は、読者の年齢・性別・職業・趣味・ライフスタイルなどを限定していることが多いため、他の媒体に比べて読者層というものがはっきりとしているためターゲットが絞りやすいところが特徴です。
このように、あるセグメントをピンポイントに狙い撃ちできる雑誌は対象がはっきりしている場合、非常に有効な媒体だといえます。
テレビや新聞によるPRが一過性の高いものであるのに対して、雑誌は商品情報などを詳細に伝えることができる「情報の深さ」があり、さらには回読性や保存性が高いという長所も持ち合わせています。
また、近年ではフリーペーパーの発刊が相次いでいますので、この新たなメディアを有効活用する方法もフロンティアコンサルティングは研究しています。
ラジオ - リスナーが固定。効率の良い宣伝活動
ラジオは、やり方によってはテレビよりもPR効果が高くなる場合があり、そこが大きな魅力となっています。
ラジオを聴く人のことを「リスナー」といい、ラジオリスナーはテレビよりも固定しやすいという傾向にあります。
また、番組ごとにターゲットとなる層が固定されているため、ピンポイントで効率良く宣伝活動を行うことが出来ます。
例えば、地域情報を発信しているラジオ番組では、番組紹介にも地域の語句が多く見られます。そこに親近感がわくのです。
そして、一定のPR効果を得るためには、どの時間帯に宣伝を集中的に行うかがポイントとなります。
ラジオのリスナー層は、時間帯ごとに核となる層が異なるためです。
朝のラジオ放送を聴いているのはマイカー通勤中のサラリーマンが中心、お昼前後になってくるとリスナー層が少し変わって営業職や運送業の方、そして家事がひと段落した主婦・・・このようにターゲットが変わるのです。
昼間はラジオの「ゴールデンタイム」。エコや子育てをテーマにした商品をアピールをしたいのであれば、PRのしどころかもしれませんね。
昼間とともにラジオで重視されている時間帯が深夜放送。
かつて受験勉強の友が深夜放送であったように、若者の興味を刺激したいのであれば、深夜番組でPRしていくのも有効でしょう。
このように、ラジオ局へのPR・広報活動に力を入れる場合、タイミングが重要となるのです。
インターネット(ウェブ) - 速報性と波及効果で優位
現代社会においては、一家に一台パソコンがあるというほどにパソコンが普及しています。それに伴って、インターネットで情報収集する人が増えています。
そうなると、インターネットを使ったPR・広報活動に力を入れる必要があります。
インターネットは、テレビに次ぐ主要メディアになったといっても過言ではありません。
近年ではマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の広告出稿前年割れが続いていますが、インターネットだけは急速な成長を継続しており、その存在感を一層強くしています。
それだけに、ウェブPRの影響力も高まっています。
そして、ウェブがテレビや新聞、雑誌、らい塩、その他のメディアに比べて圧倒的に優位な点は速報性と波及効果でしょう。
いま入ってきたばかりの情報を「1秒」で10億人に知らせることもできます。このスピードを生かさない手はありません。
新聞社のサイトでは、10分ごとに新しいニュースを更新しています。これは、紙の新聞では考えられないことです。ウェブライティングも速報性を意識したものになります。
テレビや新聞などでのPRは、直接配信された媒体からユーザーに届きますが、言い方を変えればピンポイントの配信といえます。
ウェブでは、ひとつの情報をインターネット上にリリースすると、様々なメディアへ波及します。
ウェブメディアへ掲載された記事は長期間保存されることが多いため、未来に渡って影響力を保持するだけでなく、ブログへの転載などリリース先のページビュー以上に、多くの人に閲覧される事となります。
しかし、ウェブメディアといっても、それぞれに特徴があります。特にスマートフォンやモバイルといったデバイスも無視できない存在です。
各サイトに適合したPR戦略を考案することが、効果を極大化するカギになります。