PR会社・メディア研究員の視点

8月8日の日経産業新聞1面に記載されていた記事をご紹介致します。 

「採用面接 紙ゼロに ソフトバンク、システム開発 志願書などiPadで管理」

ソフトバンクは米アップルの「iPad」を使った人事担当者向け採用支援システムを開発しました。

エントリーシートの内容、面接の進行状況、試験結果などのデータをシステムで一元管理し、ペーパーレスにすることで情報流出のリスクを減らすのが狙いです。

また、面接担当者ごとの傾向も分析でき、先行過程の透明化にもつながると言われています。企業向けに今夏に提供開始とのことです。

開発したシステムでは、まず採用試験を受ける学生にウェブページを通じてエントリーしてもらい、個人情報や志望動機などの情報をシステムに蓄積しておきます。

実際の採用面接の際には、面接担当者が手元に用意したiPadにエントリーシートの内容がデジタル形式で表示され、面接担当者はiPadを見ながら面接を進められる仕組みです。

また画面から評価の数字・コメントなどをタッチパネルやペンタッチで入力する、といった操作も可能で、記入された数字やコメントはサーバに蓄積され、2次面接以降の担当者に引き継がれます。

面接担当者ごとの学生の通過率、どんな学生の通過が多いかといった採用の傾向もグラフで確認できるため、採用過程の透明化にも役立ちます。

紙の利用をなくすことにより、個人情報の資料保管コストや流失リスクの低減、データベースへの入力コストの削減にもつながります。

導入価格は200万円、維持費が月30万円で、人件費などのコストを400~500万円削減できると見込んでいます。

ソフトバンクの法人営業部門を通じ、企業の人事担当者を中心に売り込み、初年度20~30社への導入を目指す模様です。

選考状況の「見える化」は、組織の透明化にもつながると思われます。偏った採用を防ぎ、公平な評価で選考が行われているか否かをチェックできる機能は、とても画期的だと思います。

残る課題としては、データベースからの情報流出防止・そして災害等緊急時の管理対策等の強化が挙げられるのではないでしょうか。