1. 犬と猫くらい、まったく違う

同じネットでも、Webとモバイルはまったく違う世界をもっているのをご存じだろうか。

一時期、よく目にしていたこんなCM

「続きはWebで!」

でも、モバイルの場合は

「携帯で“検索”してね!」

という言葉になっている。

そういえば・・・と思った方多いのでは?

そう、モバイルは「いつでも・どこでも」という利点はあるが、 多くの情報を伝えることは難しい媒体だ、ということをまず理解していただきたい。

「続きはモバイルで」・・・・といっても、長時間映像を流すことも、派手なフラッシュを見せることも難しい・・・。

そう、画面が小さい、スペックがない・・・等々、表現も限られ、さらに文字も小さいとごちゃごちゃしていて、読む気にならない・・・

Webのように、派手な演出はできない。

限られたスペース(小さい画面)で、表現する方法も限られる。

ほしい情報を1秒でもはやくみつけてもらうためには、どのように格納すればよいのか、が重要なのである、サイトをクリックした。

ページがでてくるのに時間がかかる。

その時点で、ユーザーは逃げていくのだ。

拾ったものを食べていい「3秒ルール」というのが、小学校のときに流行った。 (本当は食べない方がいいけど・・・)

それと同じ。

モバイルサイトも3秒以内に画面が読み込めない(画面が見れない)ものは、ユーザーは逃げてしまうのだ。

つまり、容量が重いサイトは見られない(使える画像枚数も限られる)

そして、サイトをみて1秒たらずで「このサイトは自分にとって有益がどうか」を感覚的判断している。

この「感覚的に」というのが重要。

ファーストルックで「これはこんなサイトだよ」というのを伝えきらないといけないのだ。

どんないい商品でも、どんなにいいサービスでも、まずは「見てもらう」ことができなければ意味がない。

何度も言うが、興味を持たせる工夫がwebとモバイルでは全く違うので混同しないように!

2. 環境の変化にすばやく対応し、先見性がないと、おいてきぼりなのです

「あなたは携帯電話をもっていますか?」

多くの人が「はい」と答えるだろう。

じゃあ、PCをもっていますか?

「・・・・もってるけど、あんまり使ってない。旦那さんは使ってるけど」

そんな声を聞きませんか?

いやいや、ちょっと待ってください。

携帯は一人1台の世界、PCは4世帯のうち3世帯はパソコン持ちという計算・・・そう、世帯でもっているのがPC。

普及台数を考えたら、モバイルの方がすごいのです。

しかも、10代~70代まで年齢が幅広い。

さらに、今最も注目されているスマートフォンが続々と登場している。

ここで2つの記事を紹介しよう↓


【2010年の国内携帯電話(PHS含む)出荷台数は約3328万台。3年ぶりのプラス成長へ。スマートフォン人気も牽引役に】

社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は8日、2010年12月度及び年間の国内携帯電話(PHS含む)出荷台数の実績報告を発表した。JEITAによれば、2010年(1月~12月)の国内携帯電話(PHS含む)出荷台数は3,327万8千台。前年比106.3%で、3年ぶりのプラス成長となった。

また、12月度の出荷台数は290万6千台、前年同月比108.4%。2010年及び12月度の出荷台数が伸びている理由の一つがスマートフォン人気の高まりにあるとされ、国内市場活性化の牽引役になっているようだ。 2010年通年、12月度いずれもプラス成長だが、4月~12月の累計も前年比で107.9%の伸びを示している。なお、12月度の携帯電話とPHSの内訳は前者が276万台、後者が14万6千台となっている。

携帯電話のうち、ワンセグ対応製品は236万9千台で搭載率は85.8%。


【スマートフォン動向調査で普及率は7.6%】

モバイル広告のディーツーコミュニケーションズは、スマートフォンの普及動向に関する調査結果を4月27日発表した。

普及率は7.6%で1割には届かなかった。女性の新規購入者が多く、女性比率は約3割に達した。現在所有していない層のうち、3割近くが購入意向を持っていた。調査は、実態に近い普及率を求めるため、全国の15~69歳の男女に郵送で1月に実施。3000サンプルを集計した。

スマートフォンと一般的な携帯電話(フィーチャーフォン)を合わせた携帯電話の利用率は95.1%で、所有の形態は、フィーチャーフォンだけが87.5%、スマートフォンのみが4.0%、両方を併用が3.5%。スマートフォンの利用期間は、1年未満が74.0%となり、中でも3ヵ月未満が29.5%。最近になって、急速に普及していることが分かった。

スマートフォン所有者で女性の割合は28.6%。1年以上利用している層は男性が86.0%を占めることから、1年前と比べて女性の所有者が増加していることがうかがえ、特に2010年10~12月の購入者の女性比率は35.8%に達していた。所有していない層の購入意欲では「ぜひ購入したい」8.3%、「まぁ購入したい」19.6%で、合わせて27.9%。理由は「パソコン用のウェブページがそのまま表示・利用できるから」が最多だった。

3. PRは、掛け算が大切

では、具体的にどうやってモバイルをつかってPRをしていけばいいのか。

先ほどものべたスマートフォンの普及によってフルブラウザが見れるため、表現の幅は広がるだろう。でも、まだまだ・・・・というのが現状だ。

これからは、ガラ系とスマホをどのように使い分けていくか、というのが課題となる。

でも、適切な組み合わせをしないと、まったく効果がない。

では、具体的に考えてみよう。

例えば、あなたの会社で新商品をだしました。

あなたは、どんな方法でそれを売りますか?

■広告をだす

■営業をして店に置いてもらう

■サンプルを配る

いろいろな方法は考えられるだろう。

いろいろ実施した。

結果・・・・まったく商品が売れなかった・・・

それは、なぜか。

商品(サービス)と媒体は相性があるのだ。

「携帯はいつでも、どこでもみれて、且ついろんなユーザーにリーチできるから、モバイルで新商品を売ろう!」となったとき、あなたが売りたい商品が何なのか、もう一度考えてみて。

モバイルでは、写真の大きさは限られる(横240pixが限界)、画質もわるい・・・

いままでリーピートしていた商品であれば、いいのだが、そうでないものは、ちょっと手がだしずらい。

特に高額なものは、多くの情報を得たいのだ・・・・

だったら、このような使い方はどうだろう。

広告→商品を知ってもらう媒体(受動的な媒体)

モバイル→商品を体感する媒体

PC・店舗→商品を購入する媒体(能動的な媒体)

・・・・とそれぞれ役割をきめる。

広告→モバイルやPCに誘導するための媒体

モバイル→ランキングやクチコミ(SNS)などの情報をえて、商品を客観的に体感する

※もちろん、購入もできる導線をつけておく

PC・店舗→最終確認(自分にとって本当に必要か)をして、購入する

※店舗で購入の場合、携帯をみせるお客さんも多いだろう「これください!」

その商品、サービスがどの媒体と相性がいいのか、見極める能力と、それを活用する手法をしらなければ、有効なPRは成立しないのだ。

PVをいっぱい稼いでいるサイトに出稿すれば、商品が売れる・・・

そんな時代はおわりに近づいているのです。

(続く) 第二回 大手上場企業のモバイルPRの成功事例